まだ実家にいた頃、
ちょうどいま(朝の8時頃)くらいの時間に目が覚めると
どこからか母が水仕事をしている音が聞こえます。

何かに水をためて、そこに何度も手を入れ
かきまわしたり、絞ったり。
まろやかな、やわらかい音でした。
ちょっとくすぐったいような
笑っているような。

たくさんの透明な水滴が
布から、母の手元から
朝陽に光りながら
こぼれ落ちていく様子を
思い浮かべていました。



心地いい水の音を聞きながら
布団の中でぼーっとしていました。

自分の中でも、同じように
水がぐるぐる
かきまざったりしているような気がしたものです。

眠っているのと目覚めているのとの
どっちつかずな、ちょうど真ん中あたりで
うとうとしながら、
この音をずっと聞いているのが好きでした。

やがて、その音がふと止みます。

それを合図に、慌てて起き上がります。

すぐに
「いつまで寝てる!」
という声が飛んでくるからです。